鬱に陥った人の休養期の衝動買い現象

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2017/03/25 鬱に陥った人の休養期の衝動買い現象

 

おいでになるクライエントさんの話を聴いていると、欝になって休養を取って休んでいた時期に、それまでやったことがないくらいの衝動買いに走ったという話を聴くことは決して稀ではない。はっきりいって、かなり一般的ですらあると感じている。

 

衝動買いを、双極性障害の人の躁状態における典型的行動である・・・・などという教科書的理解をするたけで説明が済むとはとても思えない。

 

SSRIなどの抗うつ薬の副作用で「躁転」した時期に生じやすいという場合は確かに含まれているかもしれないが。

 

かといって、このような行為に走る人は、いわゆる「新型うつ病」(非定型うつ病)の人に多い・・・・などということを軽々しく言うのも、避けたほうがいいように思う。 私の印象では、この、「衝動買い亢進状態」は、古典的な「メランコリー型」の鬱に類型してもよさそうな人にも、休養のある段階で実は結構見られる気がしてならない。

 

そして、どうも、この「衝動買い」現象は、ある程度以上重度の鬱の人の休養治療初期に見られる、「身体を1メートル動かすのもたいへん」という寝たきりに等しい状態(これは、例えば、気を張り詰めて働いていたのやめ、実際に休むことに決めた翌朝に心身に襲い掛かり、本人もあっけにとられる水準のものとなり、かなり順調に行っても数週間続く場合がある)を脱して小康を得て外出できるようになった、最初の段階ですでに生じることも多いようである。

 

鬱の人・・・・むしろ古典的な鬱傾向の人場合にむしろ余計に当てはなることかもしれないが、充実感を感じられる”task”が着実に目の前にないまま、「まったりと過ごす」ということは、病気になる前からそもそも苦手なのである。

 

鬱の人は「暇をもてあます」状況にはそもそももろい。「ともかくしばらくはゆっくり休んでください」「無理はしないで」といわれて「そっとされている」鬱の人は、周囲の人からは想像できない次元で、実は窮地に陥っているのだ。

 

鬱の人とは、基本的に、自分の中の「何か」が突き動かす「焦り」に巻き込まれ、安らかに穏やかに休息を味わう境地からは「程遠い」中で休養生活しているものである。

 

中には、家事や庭いじり、日曜大工(仕事を辞めた人の場合には)ネットでの求職情報収集などを「熱心にこなす」ことに没頭し始める人もあるだろう。

 

こうしたことを性急に「熱心にやり過ぎる」と、それだけで再び鬱が悪化する引き金となり、「ああ、まだ私は治りかかったいたわけではないんだ」と落ち込むという、「二次的な鬱」の悪循環になる場合少なくないのだが・・・・

 

しかし、そういう性急な活動開始の結果生じたてん末を、単に一緒になって失望したり、「言ったことじゃない!!無理しちゃ駄目じゃない! 休んでいないとならなかったのよ!!」と責めるみたいな反応しかしなかったら、急用中の鬱の人は更に自己嫌悪の泥沼にはまるだけであろう。

 

せめて、「残念だったね」とやさしくその悔しさを共にする心の余裕が、見守る人には欲しいものである。

 

 休養中とはいえ、鬱の人が、自分が「意味のある活動をしていない」ことにいかに耐え難い思いで悶々と心安らがずに過ごしていることが多いかは、家族すらほんとうには察し切れていないことが多いように思う。

 

そうした”task”で時間を埋められないとなると、今度は購入した「もの」で空間を埋めたくなるという方向に転化してもおかしくはない。

 

*****

 

もっとも、こうした発想だけでは不十分だったようだ。

 

全く別のアングルから、欝で休養経験のある若い女性クライエントさんが、次のように語ってくれた:

 

「買い物をしている時だけ、自分は病人ではないという気分を味わうことができるんですよ。社会で普通に働けている人と同じフリ

ができるっていうのかな? 

 

 鬱になってから、お店で店員さんと話し込んで、じっくりと品物を選びながら買うことが増えていた気がする。働いていた頃は、そうやって話し込むタイプでは全然なくて、ひとりで決めるタイプだった筈なんですけどね(^^;)

 

 街を、流行の服を着て、お店の紙袋ぶら下げて歩いているだけで、病人でない気分を味わえた。実社会から降りていて、普通に働いている人たちとの間に超えられない隔てができてしまっているという、心の空洞を、そうやって埋めてしまいたかったのだとも思います」

 

このようにしてまでも自分で自分を慰めるしかない心の機微を汲むことをまずはしないままに、衝動買いのやりすぎ自体はよくないとばかり言い出すようなカウンセラーではありたくない気もする(^^)

 

衝動買いが現実的な問題を生み出すことをどうしたらいいのか?ということを一緒に考えていくのは、次のステップである。

 

「ものを買うばかりではない形で、そうした心の隙間を埋めるにはどうすればいいのか?」

 

(例えば、人との出会いもありそうな習い事に投資する形も考えられないかとか)

 

あるいは、

 

「買い過ぎを押さえるには家計簿をつけてみて、検討してみないか?」

 

など。

 

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